本当は不満だらけだが…
現職・退職済みの社員の本音
下表は、現職社員がOpenWorkに投稿した退職検討理由のクチコミ内容を理由別に分類したものである。ここでも、給与・待遇面に関する内容が最も多く投稿されていることが分かる。
働く人々にとって、給与・待遇は現職に留まる理由にも、退職を検討する理由にもなり得る、極めて重要な要素であることがうかがえる。
下図は、22年以降にOpenWorkの退職検討理由欄に投稿されたクチコミについて、現職社員と退職済み社員それぞれの頻出単語をワードクラウドで可視化したものだ。
現職社員のワードクラウドでは、「給料の低さ」や「成果を上げても待遇が変わらない」といった、待遇面への不満が多く見られた。例えば、以下のようなクチコミがある。
「給与がとにかく低いため。また、新卒の給料は年々上がっているのに対し、ベースアップがないため新卒と給料があまり変わらない点も不満」(エンジニア、現職、システム開発)
退職済み社員のワードクラウドにも「低い給料」に関する単語は登場しているが、具体的な不満内容は現職社員のほうが多く挙げている傾向がある。クチコミの例は以下の通り。
「明らかに人を大事にしていない。会社の財務状況も赤字で、人件費を真っ先に削るために中途から新卒にシフト、中途は辞めて欲しい雰囲気が出てきたので退職」(営業、退職済み、人材サービス)
一方で、「他の企業と比べ恵まれている」や「仕事量の少なさ」といった単語も見られ、現職に踏みとどまる要因となっていることもうかがえる。
退職済み社員のワードクラウドでは、会社組織や人間関係への不信感を示す単語が目立った。具体的には、「弱い人間が切り捨てられる」「尊敬できる同僚がいない」「決断力のない上司」「経験しなくてよい仕事」「監視体制」などである。
また、「AIの発展で厳しい業界になる」「他社の条件が良い」といった、退職を決断するに足る理由も見られ、離職に至った背景が浮かび上がる。