教育・受験 最前線#33Photo:PIXTA

二つの大学に合格した場合にどちらへ進学するかを示す「ダブル(W)合格者の進学率」で関西学院大学に逆転勝利した関西大学。この先、奪取したポジションを守れるのか。大学改革を推し進めるには、資金力が必要だ。つまり経営力が問われる。連載『教育・受験 最前線』では、関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)を運営する4学校法人の財務対決をお届けする。関西大学には、何が足りないのか。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

快挙を成した関西大学
でも「稼ぐ力」は関関同立で最下位

 関西の難関私立大学群「関関同立」(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)の一つである関西大は2025年度入試において、「ダブル(W)合格者の進学率」で関西学院大に逆転勝利した。W合格者の進学率は、二つの大学に合格した場合にどちらへ進学するかを示す数値で、大手予備校である東進ハイスクールが18年度からこの調査分析を実施している。この25年度調査で初めて、関西大は関関同立の最下位というポジションから抜け出した(『「関関同立ダブル合格者」はどっちを選ぶ?【衝撃の最新25年度入試勝敗表】関西大がついに関西学院大に逆転勝利!』参照)。

 快挙を成した関西大はここから先も、関関同立3番手の座を守れるのか。今回の勝利は関西学院大側の事情が関西大に有利に働いた部分が大きい。奪取したポジションを守るには、関西大自身の入試をはじめとした戦略が問われる。戦略を描いて大学改革を推し進めるには、資金力が必要。つまり経営力も問われる。

 しかし、である。最新の24年度財務データで関関同立の経営力を比較すると、関西大を運営する学校法人関西大学は「稼ぐ力」が一番低かった。どうすれば稼ぐ力を引き上げられるのか。

 次ページでは、関関同立4大学を運営する各学校法人の財務を徹底比較した。関西大学には、何が足りないのか。