「相手が話したいこと」を引き出すための
コミュニケーションが大切

著者:松澤萬紀(まつざわまき)  幼少期よりCA(客室乗務員)に憧れ、8回目の試験で念願のCAに合格。ANA(全日空)のCAとして12年間勤務する。トータルフライトタイムは 8585.8時間(地球370周分)。ANA退社後は、マナー講師、CS(顧客満足度)向上コンサルタントとして活動。年間登壇回数は 200回以上。総受講者数は、2万人以上。リピート率は97%に達している。また、読売テレビ「ミヤネ屋」への出演、毎日新聞にも掲載されるなど、メディアでも活躍中。
【オフィシャルHP】
http://www.matsuzawa-maki.com/

ポイント4【相手のプライベートに、むやみに踏み込まない】
 CA十数人が、ある大学教授を囲んで「食事会」を開いたことがあります。食事中、教授は、集まったCAたちに、次々と質問をしていきました。

「結婚しているの?」「お子さんは?」
「年収は?」「歳はいくつ?」

 彼の質問は、CAの「プライベートの話」に終始していました。そして、CAの答えを聞いては、茶々を入れます。

「早く結婚したほうがいいよ」「早く子どもをつくったほうがいいよ」
「目尻にシワがあるから、もっと歳が上かと思った」

 その会に参加したCAのなかには、流産をした先輩がいました。結婚よりも、いまは仕事が優先だと思っている人もいます。私は、教授が続ける「自分の興味を満たすためだけの質問」に違和感を覚えました。

 おそらく教授に、悪気はなかったと思います。けれど、「質問をされる側の気持ち」を、まったく考えていないように感じました。

 相手がどこにコンプレックスを持っているのか、私たちはわからないので、不用意にプライベートに踏み込むと、その「地雷」を踏んでしまうことがあります。
 実際、流産した彼女も、結婚より仕事を優先させた彼女も、心中、穏やかではなかったはずです。

 自分の興味を満たす質問と、相手が答えたい質問は違います。自分の興味を満たすだけの質問はやめましょう。

 人は、「自分の話したいことを聞いてくれる人」に信頼を寄せます。
 ですから、「自分の聞きたいこと」以上に、「相手が話したいこと」を引き出すためのコミュニケーションが大切です。前述した「4つのポイント」を心がけて、「聞き上手」「質問上手」な人になれたら、きっと人生が変わりはじめると思います。

(※次回、第17回目の記事は、6月13日(木)になります


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