自民総裁選5候補の「経済政策」徹底検証、“有力”小泉氏と高市氏の違いはエネルギー・外国人政策だけ!?Photo:JIJI

自民党総裁選、目立つ“独自色封印”
新政権の政策の柱は「家計支援策」!?

 石破首相の退陣表明に伴い公示された自民党総裁選は、5人の候補が10月4日の議員投票・開票に向けて論戦を繰り広げている。

 与党(自民党・公明党)は衆議院・参議院いずれでも少数与党となっており、首相は衆議院での首班指名で決まるため、総裁選の勝者がそのまま首相となるかどうかは分からないが、選挙戦での主張は、第一党の党首の方針である以上、野党との連携は必要ながら今後の経済政策の基軸になるはずだ。

 各候補が掲げる経済政策を見ると、5候補で共通するのが、物価高や社会保障への国民の不満や不安の高まりに対応する家計支援策の強化だ。

 ガソリンの旧暫定税率廃止はほとんどの候補が掲げるほか、給付付き税額控除導入や「年収の壁」引き上げなど、野党の主張を取り込んだ政策や「日本版ユニバーサルクレジット」導入といった、新たな処方箋の提唱もある。

 物価高や実質賃金低迷が続き、とりわけ中間層や現役世代への所得再分配が弱まっているということで家計向け支援策に対する問題意識は共通している。

 一方、世論調査などで有力視される二人の候補、小泉進次郎農林水産相は、おおむね「石破路線踏襲」、高市早苗・元経済安全保障担当相は外交でのタカ派姿勢や持論の財政拡張、金融緩和の主張を抑えるなど、党内の支持拡大を意識してそれぞれ持論を封印、抑制している感じだ。

 政策実現となると、野党との新たな連立や連携次第のところがあることも、議論が盛り上がらない要因だ。