ハードなのに満足度が高い
企業の共通点は?

 トップ5は、オープンハウス、キーエンス、ゴールドマン・サックス証券、シンプレクス、オープンハウス・ディベロップメントだった。不動産、金融、半導体などいずれも比較的専門性が高く、一般的に金銭的報酬水準が高いとされる業界の企業である。ハードワークな労働環境でありながらも、自身の市場価値を高める専門性を身につけられることや、高水準の報酬を得られることが、高い士気を保ちながら業務に取り組める理由となっていると考えられる。

 以下、ランクイン企業に寄せられたワークライフバランスに関するクチコミを見てみよう。

「ワークライフバランスは比較的取りやすい。しかし、それも条件付き。実際には、平均して月に40時間は残業しているし、そもそも事務作業に締め切り厳守なため昼食を取らない事もある」(業務・ゴールドマンサックス)

 今回、ハードワークな働き方でありながらも高い士気を保つ社員が多い企業を分析した理由として、成長実感や高報酬といった、努力に見合う「確実な報い」が得られる点が挙げられる。また、ワークライフバランスが必ずしも良好とはいえない企業であっても、企業全体の総合評価が低いわけではないことも明らかになった。

 OpenWorkに掲載されている企業の過去10年間の全体平均スコアを分析した研究によると、「働きやすさ」に関するスコアは改善傾向を示していた一方で、「働きがい」に関するスコアは下降傾向を示していた。つまり、働きやすい職場環境が必ずしも働きがいの向上に結びつくとは限らないという結果である。

 ワーキングパーソンが労働に求める真の価値とは、ワークライフバランスによって得られる「時間的な余裕」そのものではなく、「その時間を何に投じるか」という点にあるといえる。

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