いよいよ給料アップの兆しが鮮明に?
大手のボーナス妥結額は前年比7.37%増
経団連が5月30日(2013年)に発表した「今夏のボーナスの第1回集計」(以下参照)によると、大手企業64社の平均妥結額は、前年同期比7.37%増の84万6376円だった。伸び率では、集計を開始した1959年以来、バブル期にあたる1986年の8.36%に次ぐ高水準だそうだ。
業種別では、製造業が7.23%増、なかでも自動車関連が14.15%増と大幅に伸びている。非製造業も8.00%増の85万8584円だ。ただし、第1回の集計には鉄鋼や一部の電機メーカーが含まれておらず、最終集計で製造業全体の伸び率がどうなるかは不透明とのこと。
各紙とも、「アベノミクスを背景にした円安・株高によって業績が改善した結果」と指摘している。足もとで金融市場は乱高下を繰り返しているものの、それを「一時的な調整」と見る向きは多い。世間の景気回復期待は着実に上向いているという。しかし近い将来、我々の給料が本当に増える見通しはあるのだろうか。
2010年、2011年の数字(絶対額)を並べてみなければ、本当のところはわからないはずだ。たとえば、2011年の東日本大震災やタイ大洪水による2012年の落ち込みからそれ以前の水準に戻ったのかどうか、2007年半ばから2012年9月まで続いた円高の影響から脱したのかどうかなどが、ポイントになる。
そこで本題に入る前に、次の表を見ておきたい。前述の2013年に加えて、経団連が2011年、2012年に発表した『夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果』である(以下3つの表を参照)。
第1回集計と最終集計の違いはあるが、製造業は(少なくとも鉄鋼と電機を除けば)大震災前の水準を取り戻し、非製造業はここ数年では最高額となったと言ってよさそうだ。特に後者は、2008年9月のリーマンショックからの金融、不動産関連の回復が大きく寄与しているものと推測できる。
まとめると、円高の最悪期は2011年の後半であり、主に2011年下期の業績が反映される2012年夏のボーナスが底だったことと照らし合わせると、東日本大震災とタイ大洪水の影響が大きかったとは言え、為替レートとボーナスの相関は高いと判断せざるを得ないだろう。