藤井 過去に自分が取った行動を細かく思い返し、深掘りしていきます。

 僕自身のことを例に取ると、小学生時代から人の輪に入らず一人で読書をするのが好きだったことや、大学生の頃、アルバイトで初対面の人と協力して仕事をするのが苦手だったことから、まず「なぜ集団の輪に入るのが苦手なのか?」という問いを立てました。

 そこから「なぜ?」を重ねていって「集団行動が苦手で協調性がない」という弱みをあぶり出し、その理由である「人に気を使いすぎてしまう」自分にも気付いたことから、「人に気が使える」という強みがあることも発見したのです(下図参照)。これは「なぜなぜ分析」と呼ばれるテクニックです。

入社してからも役立つ
「人との相性」の深掘り

就活が有利に進む!自己分析で絶対押さえておきたい「3つの情報」とはふじい・ともや/L100代表取締役。1993年生まれ。累計2400万PVを突破した就活ブログ「就活攻略論」、求人サイト「ホワイト企業ナビ」運営者。自身の就職活動においては22社から内定を獲得。カゴメに入社後独立。著書に『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』(ダイヤモンド社)

藤井 次に「人との相性」ですが、自分が好ましく思っている人、苦手に思っている人を具体的に挙げ、「なぜ好き(嫌い)なのか」を思い付く限り挙げてみてください。入社後すぐ転職する人は「人間関係」を理由にしているというさまざまなデータがあります。

 自分がどんな人と合うのか合わないのか把握しておくと、就活時に企業の雰囲気やそこで働く人を見る際だけではなく、入社してからも役立つでしょう。そして、三つ目の「企業選びの軸」は、他人の意見に左右されずに自分の価値観で就活を進めていくために、必ず定めておきたい軸です。

――入りたい企業の条件をあらかじめ決めるということでしょうか。

藤井 条件というより、優先順位です。全て自分の理想に合致する企業を探すのは難しいかもしれませんが「これだけは譲れない」ことが分かっていれば、企業選びの基準になります。

 具体的なステップは、まず「安定した業界か変化のある業界か」「仕事で身に付けたいのは専門知識か幅広い経験か」「親しみやすい雰囲気か競争的な雰囲気か」など、働く上で気になることを、二者択一で設定してどちらかを選びます。

 選んだら、その中から特に重視する項目を五つほどピックアップ。それがあなたの「軸」になります。