メディア興亡Photo by Shuhei Inomata

日本最大の通信社、共同通信。加盟新聞社の部数減に伴い、経営の柱である「加盟費」の右肩下がりが止まらない。ダイヤモンド編集部が入手した内部資料から、わずか6年で16億円もの減収となった衝撃の懐事情が判明。資産売却や人件費抑制で急場をしのぐが、若手から出された「デジタル転換への提言」も空転し、現場の不満は爆発寸前だ。連載『メディア興亡』の本稿で、共同通信の懐事情について分析する。(ダイヤモンド編集部 猪股修平)

地方紙と「共倒れ」のビジネスモデル
加盟社63社が握る共同通信の命運

 一般社団法人である共同通信社は、加盟社分担金、いわゆる「加盟費」と、契約社負担金「契約費」が主な収入源である。共同のホームページによると、2026年1月現在の加盟社はNHKと地方新聞社、スポーツ紙など計63社、契約社は朝日新聞や読売新聞、テレビ・ラジオ局を中心に計108社となっている。

 関係者によると、加盟社と契約社の最たる違いは「経営に物申せるか」。共同の理事・監事は加盟社の経営者が担う。26年1月時点の理事会長は西日本新聞社(福岡県)の柴田建哉会長が務めている。一方、契約社は理事会の役職には選出されず、単にニュースの配信をもらうだけだ。

 加盟費はNHKを除き、各社の発行部数に一定の比率を乗じて算出する。従って発行部数が多いほど加盟費は高くなる。「加盟費は共同にとって最重要機密だが、1社当たり数千万円を支払うと聞いている。中日新聞(愛知県)や北海道新聞といった規模の大きな新聞社は共同に対しても大きな影響力を持つ。一方で、契約費は1社当たり1000万円以下。契約社は加盟社の倍近くあるが、収入は加盟費の方が圧倒的に多い」(共同ベテラン)。

 近年、新聞発行部数の減少や契約社の脱退が相次ぐ。業界内では「共同通信の収入は雲行きが怪しくなっている」というのが通説だ。

 では、実際にどの程度収入が減っているのか。ダイヤモンド編集部は共同の収支報告書に当たる「公益目的支出計画実施報告書」の19~24年度分を入手した。次ページでは、その内容を明らかにし、現状を分析する。