前編につづき、フローレンス代表理事の駒崎弘樹氏と、国際コラムニストの加藤嘉一氏との対談をお届けする。いかにして日本をより良い社会に変えていくのか。市民のために政治に働きかける市民型ロビイストが足らないということについて、前編では語り合ってきた。そして、話は自然と日本の政治の話になり、自身の政治との関わり方にまで、踏み込んだ話になっていく。(取材・構成/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

「シビルソサエティって社会を
盛り上げていく重要なアクター」

駒崎弘樹氏(左)と加藤嘉一氏(右)
Photo by Kazutoshi Sumitomo

駒崎 日本では公共っていう言葉の使い方に表れるように、公が官なんですよね。基本的には行政。なぜかっていうと戦後、復興していくには仕事を頑張ってお金を儲けいくことが求められた。その時に、福祉なんかは行政に任せといて、俺たちは工場で働こうという分業が成り立っていたわけですよね。だから、基本的にお金を儲けて豊かになる(復興する)ことは、世の中にとって良いことだったんですよね。

 それが、世界第2位経済大国になって復興しても、社会問題は多いし、何か幸せじゃないって感じられるようなってきた。そうすると、その不満は「行政何やってんだ」みたいな話になる。でも、そう不満をぶつけたところで問題は多様化していく一方だし、税収も右肩上がりの時はいろんなことが行政もできたけどもうできなくなっちゃう。

 だからそうすると公共は単に行政にアウトソースしておけばよかったっていう時代から、いや俺たちも公共を担わなきゃいけないんじゃないのっていう風にシフトせざるをえなくなってきているんですよね。それがやっぱり90年代からの流れだったと思うし、決定的になったのがこの3.11だったっていう風に思うんですよね。だから日本はまさにそういう風に変わろうとしている。

加藤 これからどういう風になっていくと思いますか?

駒崎 市民社会というものがもうちょっとちゃんと形成されていくっていう風になるかな。