同時にネットショップもオープン。すると岡さんの作品は、津軽地方を中心にじわじわとファンを増やし始める。

「それだけで食べていけるほどではなかったですけど、会社員時代の貯金もあるし、しばらく食い繋ぐことができたのはありがたかったですね。何しろこの時期は、“もう二度と働くもんか!”というくらい、就職に向いていないことを自覚していましたから(笑)」

地元を活性化するプロジェクトで
内閣府「女性のチャレンジ賞」受賞

 さらに、子育て中の女性たちと一緒に、鶴田町をより楽しく暮らせる街にしたいと、「つるた街プロジェクト」という団体を立ち上げて、フリーペーパーやSNSを使って情報を発信したり、イベントの企画運営をしたり、精力的に動き始めた岡さん。

 とりわけ地域の名所である鶴の舞橋(日本一長い三連太鼓橋)を1000本のキャンドルで彩る「星空のキャンドルナイト in 鶴田」は、回を重ねるうちに1000人超を集客する名物イベントとなった。

 そうした取り組みが評価され、2018年に内閣府男女共同参画担当特命大臣表彰で「女性のチャレンジ賞」を受賞したことは、岡さんのキャリアにおけるひとつのハイライトだろう。

 こうなると、鶴田町への郷土愛がそのまま働くモチベーションになる。

 2020年、鶴田町内で一気に6つの小学校が廃校になった。岡さんはその中の旧・水元中央小学校の校舎に着目し、町役場にアプローチを始める。

「人と人が偶発的に出会い、何かを生み出すきっかけになるような場が鶴田町に欲しいと思っていた私としては、廃校利用は魅力的な手段でした。そこで町役場に『校舎の使い道は決まっていますか?』と問い合わせて、ぜひ私にやらせてほしいとアピールしたんです」

 校舎は引き続き町が維持し、運営事業者をプロポーザル方式で選定することが決まっていた。

故郷・青森にUターンして郷土愛が爆発!30代女性が一から作った「住民の拠点」とは1000人超を集客した「星空のキャンドルナイト in 鶴田」 写真提供/本人
故郷・青森にUターンして郷土愛が爆発!30代女性が一から作った「住民の拠点」とは自身で立ち上げたリネンブランド「KOMO」の野外出店時の様子 写真提供/本人