ホンダ三部社長が推し進めたEV戦略「誤算と迷走」の全貌!米GMとの提携解消の要因とは?韓国LG、旭化成との協業も機能不全…関係者「損切りは時間の問題だった」Photo by Koyo Yamamoto

ホンダは、EV(電気自動車)「0シリーズ」などEV3車種の発売中止に関連して2.5兆円規模の損失を計上する。巨額損失などの要因として、主に米国での環境規制の変化を挙げる。しかし、要因はそれだけではない。ホンダの三部敏宏社長が推し進めたEV戦略の軌跡を振り返ると「誤算」に加え、「迷走」も見て取れる。また、米ゼネラルモーターズ、韓国LGエネルギーソリューション、旭化成らとの提携も機能不全に陥っており、「他社との提携」に不得手なホンダの実態も浮かび上がる。長期連載『自動車 “最強産業”の死闘』内の特集「ホンダ危機」の#2では、ホンダの三部敏宏社長が「脱エンジン」を宣言してから、それを軌道修正するまでの経緯を、パートナー企業とのプロジェクトの問題点も含めて徹底検証する。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

「損切りは時間の問題だった」とホンダ関係者
決断先送りで、EV関連損失は2.5兆円規模に拡大

「EV(電気自動車)化の遅れを踏まえれば、『いつ損切りするかは時間の問題』だった」。あるホンダ関係者は、巨額損失の計上をこう振り返る――。

 ホンダは、「0シリーズ」などEV3車種の開発中止などに関して、2.5兆円規模の損失を計上する(詳細は、『ホンダがEV損失「最大2.5兆円」計上!EV注力で他商品のラインナップや中国事業に深刻な“副作用”、社員「メーカーとして情けない」』を参照)。

 2026年3月期通期決算は、最大6900億円の最終赤字に陥る見通しで、1957年の上場以来初の最終赤字となる。

 21年からホンダを率いる三部敏宏社長は就任時、「40年に全ての新車販売を、EVと燃料電池車(FCV)」とする「脱エンジン」の目標を掲げたが、これも修正に追い込まれた。

 三部社長は、2.5兆円の巨額損失の要因として、主に米国政府による環境規制の変化を挙げる。しかし、原因はそれだけではない。21年の三部社長就任からの戦略を振り返ると、「誤算」だけでなく、ホンダ自身の「迷走」が見て取れる。米自動車大手のゼネラルモーターズ(GM)、韓国バッテリー大手のLGエネルギーソリューション、化学大手の旭化成らとの提携・協業も機能不全に陥っている。

 次ページでは、ホンダが推し進めたEV戦略の「誤算と迷走の全貌」を明らかにする。

ホンダ図表