主婦年金は「社会保険の壁」の原因にあらず、第3号被保険者制度の“公平”な見直しには何が必要かPhoto;PIXTA

自民党と日本維新の会が第3号被保険者制度の縮小に向けて検討を進める方針で一致し、制度見直し論が本格化している。だが、いわゆる「社会保険の壁」は第3号被保険者制度そのものではなく、厚生年金の加入基準に根差す面が大きい。制度廃止で何が解消し、何が残るのか。公平性の論点も含めて検証する。(大和総研金融調査部主任研究員 是枝俊悟)

「社会保険の壁」は第3号被保険者制度が
原因ではない

 自由民主党・日本維新の会は4月13日に開かれた社会保障制度改革に向けた実務者協議で「第3号被保険者制度」について縮小する方向で検討を進めることで方針が一致した。

 2025年の年金改正法でも附則に第3号被保険者制度につき実情を調査し、その在り方につき検討することが定められており、今後、議論が本格化することが見込まれる。

 労働組合や経営者団体は、人手不足の中、第3号被保険者制度が就業調整をもたらしている点に危機感を持っている。

 第3号被保険者として保険料を免除されている状態から、労働時間を増やしていき、原則週20時間以上の厚生年金の加入基準を満たして自ら保険料を支払うと、その段階で保険料負担が急増し、手取り収入がかえって減少することがある。これが「社会保険の壁」と呼ばれ、パート労働者の働き控えの要因となっている。

 ただし、正確には、これは第3号被保険者制度の問題というより、厚生年金の加入基準の問題である。

 次ページでは、なぜこれが厚生年金の加入基準の問題なのかを整理した上で、第3号被保険者制度の縮小・見直しに向けた方策を検証する。