クローズアップ商社Photo:PIXTA

7大商社(伊藤忠商事、三井物産、三菱商事、住友商事、丸紅、豊田通商、双日)の2025年度通期決算では、伊藤忠商事が財閥系の三井物産、三菱商事を抑えて5年ぶりに首位を奪還した。総合商社間の覇権争いが混沌とする中、どの部門が少ない人数で効率よく利益を稼ぎ出しているのか。連載『クローズアップ商社』の本稿では、ダイヤモンド編集部が22年度から作成している「セグメント別の社員1人当たり純利益ランキング」の最新版を公開する。今回は丸紅のある非資源部門が大躍進してトップに輝いた。その背景とは。(ダイヤモンド編集部 大川哲拓)

伊藤忠・岡藤会長もうらやむ資源の爆発力
三井物産の牙城を崩した“伏兵”とは?

 生活消費ビジネスなどの非資源分野を強みとする伊藤忠商事は、2025年度の連結純利益で5年ぶりに業界首位を奪還した。しかし26年度の見通しでは、天然ガス事業などへの巨額投資が実を結ぶ三菱商事(1兆1000億円)にトップの座を譲る公算が大きい。

「やっぱり、総合商社は資源やらんとあかん」

 伊藤忠商事の岡藤正広会長CEO(最高経営責任者)は5月のアナリスト向け決算説明会でこう漏らした(『伊藤忠・岡藤会長の「やっぱり資源やらなあかん」発言に透ける苦悩…事業別ROAで解剖する“商社トップ争い”の構造』参照)。

 非資源分野でコツコツと稼いでも、資源市況に追い風が吹けば財閥系商社にあっさり逆転されてしまう――。岡藤会長がうらやむほど、資源ビジネスの爆発力はすさまじいのだ。

 それを裏付けるように、社員1人当たりの利益額を見ても、資源関連の部門は桁違いの数値をたたき出している。

 直近3年間のランキングを振り返ると、オーストラリアの鉄鉱石事業などを擁する三井物産の「金属資源」がいずれもトップに君臨。上位は各社の金属資源やエネルギー部門が占める結果となっている。

 しかし最新版のランキングでは、絶対王者である三井物産・金属資源を抑え、丸紅の“ある非資源部門”がまさかの首位に輝いた。次ページでは、7大商社の全57セグメントの「社員1人当たり純利益ランキング」を一挙公開。首位に躍り出た丸紅の“伏兵”を明らかにし、その利益急増の背景を解剖する。