ソニー 新・神話の真贋#11Photo:SOPA Images/gettyimages

ソニーグループの音楽事業が隆盛を極めている。大物アーティストの版権の取得により収益の地盤が安定してきている上、傘下のエンタメ企業が「国宝」や「鬼滅の刃」といった大ヒット映画を生み出すなど音楽“以外”の事業も好調なため、飛躍的な成長を遂げているのだ。特集『ソニー 新・神話の真贋』の#11では、ソニーの音楽事業の絶好調の秘訣を解明するとともに、同事業がさらに成長するための課題を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)

「鬼滅の刃」と「国宝」の立役者は音楽事業!
営業利益率は驚異の“20%超え”

 2025年に記録的大ヒットとなった2本の映画が、ソニーグループの増益に大きく貢献した。「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」は、邦画の全世界興行収入で歴代1位を記録。「国宝」は国内の実写映画興行収入でトップとなった。

 実は、この2作品を手掛けたのは映画事業ではなく、音楽事業だ。同事業では、映画やアニメなど音楽以外の分野も収益に多大な貢献をしている。上記の映画2作品は、ソニーグループで音楽事業を手掛けるソニー・ミュージックエンタテインメント傘下のアニプレックスが製作を担っていたため、音楽事業の収益に加算されているのだ。

 映画の大ヒットもあり、25年度の音楽事業の営業利益は前期比25%増の4470億円となった。営業利益率は21.1%とグループ内で最も高く、エンタメ企業に転身を遂げたソニーの成長をけん引している。

 あるソニー幹部OBは、「音楽事業では日々クリエーターと接しているためか、皆アントレプレナーシップ(起業家精神)を持っていて社風が明るい。ソニー・ミュージックがグループで一番ソニーのDNAを受け継いでいるのではないか」と話す。どうやら、同事業がグループ内で断トツの利益率を誇る背景には、創造性を高める組織風土が関係しているようだ。

 しかし、音楽事業で右肩上がりの増益が続く保証はない。ソニーの音楽事業は、次ページで詳述するようにエンタメ業界ならではの事業運営の難しさに加え、ソニー特有の課題を抱えているのだ。

 ソニーの音楽事業が持続的な成長を遂げるために必要なものは、何なのだろうか。

 次ページでは、ソニーの音楽事業の絶好調の秘訣を解明するとともに、同事業をさらに成長させるための課題を明らかにする。