優等生
 優等生にかかると、たえず実績をあげていないと、自尊心をもったり自分を大切にしたりできなくなる。そして幸福という内面的基準より、外面的な成功にばかり目が行くようになる。仕事中毒になって行き詰まることもあるし、内心にある感情的な願望、人とつながりたいという願望を見失うことも多い。優等生のウソは、高い業績をあげたり評価を得たりしないかぎり、自分を評価すべきではないというウソである。

犠牲者
 犠牲者はあなたに、感情的になったり、気まぐれにふるまったりすることで、注目や愛情を得ようとさせる。その結果、内面的な感情、特につらい気持ちに目が行きすぎ、被害者意識におちいることが多い。こうして心理的・感情的エネルギーをすり減らし、まわりの人もあなたが不幸であることに苛立ったり、無力感や罪悪感を覚えたりすることになる。犠牲者がつくウソとは、被害者や殉教者を装うのが、思いやりや愛情を得る最善の方法だというウソである。


理屈屋
 理屈屋とは、人間関係も含めてすべてを合理的に処理しようとする気持ちが強すぎる、あるいはそれしか考えない傾向のことである。だから他人の感情に苛立ちを覚え、そうした感情にじっくり対処するのは無駄と考えるようになる。理屈屋に支配された人は冷たい、そっけない、傲慢などと見なされる。仕事でも家庭でも人間関係がうわべだけの硬直したものになり、合理的でない人からは怖がられる。理屈屋のウソは、人間の知性のなかでも合理的精神こそ最も重要で有益だというウソである。

こわがり
 「こわがり」が強力になると、身の回りにある危険、あるいは起こるかもしれない危険に常に過敏になり、不安を覚えるようになる。いつも警戒して安心することがないため、たえず大きなストレスがかかり、自分も周囲も疲れ果ててしまう。こわがりがつくウソとは、身の回りの危険に対して大事をとって四六時中警戒することが、危険に対処する最良の方法だというウソだ。