妨害者の10タイプ

 妨害者はどこにでもいる。問題は心の中に妨害者がいるかいないかではなく、どんな妨害者がいて、どれだけ強力かということだ。妨害者はどの文化にも、男性にも女性にも、どんな年齢の人にもいる。なぜなら妨害者は、人間が生き残るための脳の機能とつながっているからだ。人はみな子ども時代に妨害者をつくりあげる。肉体的にも心理的にも生命を脅かすと見られるものを避けるためだ。大人になれば妨害者も不要になるのだが、心の中の見えない住人としてとどまり、妨害者が存在することすらわからなくなることが多い。

 以下では10人の「妨害者」のリストを挙げ、それぞれがどんな働きをしているかを紹介していこう。

裁判官
 裁判官は妨害者のボスであり、誰もがこれに苦しめられている。裁判官は自分自身や他人、あるいは状況に対してたえず粗さがしをさせる。不安やストレス、怒り、失望、悔しさ、罪悪感などはほとんど裁判官が生み出したものだ。裁判官は自分を正当化するためウソをつく。自分がいなければ人は怠惰でやる気のない人間になり、大きなことは成し遂げられないとウソをつく。だから本当は破壊的な妨害者なのに、その声は愛すればこその厳しい理性の声と誤解されてしまう。

潔癖性
 潔癖性は行きすぎた完璧さ、秩序、整理整頓を求める。潔癖性にかかると、あなたもあなたの周りの人も不安でぴりぴりし、神経質になる。あなたのエネルギーも、周囲の人のエネルギーも、無用の完璧さを追い求めることに費やされてしまう。さらに、ものごとが完璧でないからという理由で、自分自身や他人にたえず不満を抱くことになる。潔癖性のつくウソとは、完璧であることは常に正しい、完璧であって損することは何もないというウソである。

八方美人
 八方美人は、人を助けたり、喜ばせたり、お世辞を言ったりすることで受け入れられるよう、愛情を得ようとする。そのため自分自身の目標を見失い、結局は他人をうらむことになる。また相手もあなたに過度に依存するようになる。八方美人のウソとは、人を喜ばせるのはそれが良いことだからであり、他人の愛情や認知を得るためではないというウソである。