「人間万事塞翁が馬」「ピンチのあとにチャンスあり」「順境は人を殺し、逆境は人を生かす」「大鮎になるためには逆流に入るんだ!」「アコヤ貝は自分の体内に入った異物の痛みを和らげるために、それを包む成分を出しているうちに真珠ができる」……1ページにびっしり細かい字で書いています。どのページもぎっしり書き込まれています。

 このように、当時のメモをあとから読み返したとき、そのとき響いた言葉がよみがえります。手帳を年代順に並べて見返すと、自分の成長がわかりますよね。「ああ、このときはこんな言葉に感動したのだ」と。そしてたいていの場合、月日が経っても同じ言葉にやはり感動したりするものなのです。

 みなさんはきっと、いろいろな本を読んだり講演を聞きに行ったり、たくさん勉強されていると思います。しかし、多くの人はほとんどの内容はちょっと忘れてしまいますよね。私も2、3ヵ月前に読んだ本に線引いたところなんか、みんな忘れちゃってます(笑)。

 でも、記憶に残す方法がないわけではないのです。簡単なことなんですが、まずは手書きで書くんです。そして、書いたことを部下にしゃべる。「読んだ、書いた、話した」で何度も自分で咀嚼して使うことによって、次第に自分にしみ込んでくるものなのです。

 それらが手帳に書いてあると、それが財産になってくる。手帳の帯の裏側にも書いていますが、宝物、つまり手帳を財産にしていただくということです。