では、もう一問解いてみましょう。

【問題】
 81×75をざっくり計算してください(正しい答えとの誤差をできるだけ小さくしましょう)。制限時間は5秒です。

 単に、四捨五入してかける方法ですと80×80=6400で、誤差は約5.3%になります。

 では、「たし引き概算法」で計算してみましょう。

 81から1を引いて、きりのいい数の80にします。
 一方の75に1をたして76にします。
 80と76をかけて6080で、誤差は約0.08%となり、かなり正確な値を得ることができました(81×75の正しい答えは6075です)。

「たし引き概算法」は
何ケタ×何ケタでも使えるテクニック

 2ケタ×2ケタの計算について、同じ数をたし引きしてかける概算法をお話してきました。でも、次のように思われた方もいるのではないでしょうか。

 「2ケタ×2ケタで使えるのは分かったよ。でも、2ケタ×2ケタだけだと汎用性が低い。なかなか使う機会がないんじゃないか?」

 そうお考えになるのも当然です。でも、大丈夫。「たし引き概算法」は、何ケタ×何ケタでも使えます。
 では、さっそく例をあげて解説しましょう。

【問題】
 3879×23をざっくり計算してください(正しい答えとの誤差をできるだけ小さくしましょう)。制限時間は15秒です。

 実際は、何ケタ×何ケタでも概算できるのですが、ここでは4ケタ×2ケタを例に解説していきます。
 2ケタ×2ケタに比べてぐっとハードルが上がった気がしますね。でも、それほど難しくないので安心してください。

 3879×23の概算も、四捨五入して4000×20=80000と求めるのが一般的です。でも、3879×23の正しい答えは89217ですから、誤差率は約10%で、誤差が大きめになってしまいます。