個人マネーをもっと「貯蓄から投資へ」向かわせようという動きが、日本の金融ビッグバン以降続いている。確かに、年を追って投資が生活者に身近になっているように感じられる。バブル期には財テクがもてはやされたが、いまほど幅広い生活者に浸透していたという印象はない。
現在では身近な銀行や郵便局でも投資信託、変額年金といった投資商品を販売しており、かつてなら投資とは縁遠かった層も無関心ではいられなくなったのが、その理由のひとつだろう。また、確定拠出年金制度の導入が進んでいるなか、勤め先の企業年金制度をとおして否応なく投資に向き合わなければならない人も増えている。
いうまでもなく投資にはリスクが伴うため、投資商品の内容やリスクの性質を理解するための基礎知識を身につけ、将来予測のための情報収集・分析を行う努力が必要だ。また、資金配分も間違えないようにしないと、将来設計に悪い影響を及ぼす可能性もある。
一方で、とりあえず始めてみないことには投資が身に付かないと考えることもできる。マイナスが生じても我慢できる範囲の金額でスタートし、走りながら学ぶということも必要かもしれない。
少額からスタートするのに有効な投資方法として、「積立」がある。毎月一定の日などに機械的に、1万円など決まった金額で、積立時の時価に応じて買える範囲の数量を買い付ける方法だ。株式、投資信託、外貨建てMMF、金地金など、様々な金融商品で積立のシステムが用意されている。
「定額購入」なら
「ドルコスト平均法」の効果あり
決まった金額で継続的に購入する方法を「定額購入」といい、決まった数量を時価で購入していく「定量購入」よりリスクを抑えた投資ができるとされている。「定額購入」だと、価格が高いときには少ない数量しか買えず、安いときには多く買えるため、平均買付単価が抑えられるという「ドルコスト平均法」の効果が期待できるからだ。