先日行われたVenture's Liveの様子。約800人の学生と41社のITベンチャー企業が集まった

 この連載の第1回の記事で、既に採用活動をスタートしている外資やベンチャー企業があることを書きましたが、先日いち早く、約800人の2015卒生と41社のITベンチャー企業が一堂に会するVenture's Liveという2015卒生向けイベントが開催されたので取材に行ってきました。

 通常こうした合同説明会は、採用支援系の広告会社や人材会社、あるいは大学のキャリアセンターが主催するケースが多いのですが、同イベントは各社の採用担当によってゼロから独自に企画、開催されたもの。

 では、参加した採用担当者は今年の採用をどう考えているのか、また学生たちはまだ求人サイトがリリースされていない中、どうやってこのイベントを探し、どんな背景で参加したのでしょうか。

 今回は、彼らの声を聞きながら見えてきたIT業界の2015卒生採用について考察してみます。

内定への道のり
始まりは「偶然の出会い」

 今回のイベントの仕掛け人であり、運営の中心を担ったのは、株式会社オロ採用担当の吉田さんと、株式会社マクロミル採用担当の山口さんです。まず、開催を企画した背景を伺うとこんな答えが返ってきました。

「普通の合同説明会であれば、知名度の高い企業に学生は集中し、本当に自分に合う会社と出会えないということが多々あります。しかし、まだ認知されていないものの、業界を牽引しているベンチャー企業が複数集まれば、偶然の出会いが創出され、新たなマッチングが起きうるでしょう」

 確かに12月以前では、大手求人サイトもリリースされていないため、学生たちも就活に関する情報を収集しにくいもの。

 そんな中でこうしたイベント情報を掴み、早くから行動する学生たちは、アグレッシブなベンチャー企業にとってターゲットになりやすいのでしょう。

 最近はあまり聞かなくなりましたが、セレンディピティ(=何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能)なんていう言葉も一時期こうしたキャリアにおける文脈で、よく使われていたと思います。

 限られた時間の中では、自分の志向に合う会社を探しながら、その行動の中でもっと自分が目指したい場所を見つけていくという動き方が最適です。