ビジネスが少女漫画に近づいているという。果たして、そのココロはいかに?
1972年に発表されて以来、社会現象とも言えるほど爆発的なヒットを飛ばした『ベルサイユのばら』。フランス革命という史実を背景に愛を描いた『ベルばら』はその後、世界各国の言語に翻訳され、現在もロングセラーを続けている。『ベルばら』はなぜ、世界を魅了し続けるのか?少女漫画とビジネスの間に見えた、意外な接点とは?
作者の池田理代子氏と「三度の飯より少女漫画が大好き」というボストン コンサルティング グループ、シニア・パートナー&マネージング・ディレクターの重竹尚基氏が、互いの専門をぶつけ合い「少女漫画とビジネス」について語り合った。
(構成 曲沼美恵 / 写真 宇佐見利昭)
漫画家はそれこそ社会の底辺
なかでも少女漫画は地位が低かった
池田 今日のテーマは「少女漫画とビジネス」ですか、私、会社勤めもしたことないですし、ものすごい経済オンチですよ。だから、ほんとに異文化も異文化で。大丈夫かしらと思って来たんですけれど。
重竹 以前お会いした時はたしか、課長、部長、次長のどれが偉いかまったく分かっていない、とおっしゃっていましたもんね。
池田 いまだにそうですよ。でも、重竹さんに対しては名実共に仲人という立場ですから。「えっへん」という感じでいられます。
重竹 今日は池田先生ではなく、普段通りに理代子さん、とお呼びしていいですか?
池田 もちろんです。
重竹 じつは、理代子さんとはうちの妻を紹介していただいて以来のお付き合いですが、こんな風に公の場で語り合うのは初めてなんです。しかも、私の大好きな少女漫画を題材にビジネスのお話ができるというので、今日はとても楽しみにして参りました。