利他の素晴らしさを教える取り組みは、そればかりではありません。たとえば、クリスマスに児童養護施設訪問で行なうボランティア活動。これは強制参加行事の1つであり、なんと「どんな理由があれ欠席したら解雇」というルールになっているというから、驚きです。

 その様子は、バグジーを扱った販売映像の中で見ることができるので、読者にはぜひご覧いただきたいと思います。まるで、子供たちとの温かな心の交流が映像越しに伝わって来るようです。

 また、全店舗で実施しているのが、店舗周辺の清掃活動です。これに関しても、最初は「偽善ぽいのではないか」などの批判が社内から出たそうです。しかし、久保氏は先頭に立ってこれを実行し続けました。

 清掃をしていると、近所の人から「偉いねえ」「ご苦労様」などの声がかかる。なかにはお饅頭などを差し入れしてくれる人もいる。やっているうちに、スタッフもだんだんと楽しくなってくる。やはり利他の素晴らしさを体感できるのです。この清掃活動はすっかり定着し、今では清掃する範囲をこぞって拡大している店舗もあるといいます。

様々な“利他の体感”を通じて
“人間力”を高めて行く社員たち

 久保氏は、「よい活動は最初は強制から始まってもよい」と言います。やってみれば必ず心地よい感動を味わえるため、そこから行動が自発的に変わって行くというのです。

  “親孝行”も利他の体感の大きな柱になっています。たとえば同社では、新入社員に初任給とは別に“プレゼント援助金”を支給しています。その初任給で必ず両親にプレゼントを贈ることをルールにしているのです。感動する親の涙を見て、社員は優しい気持ちになると言います。

 入社式では、逆に親からの手紙が会場で読み上げられます。そこには、子供を約20年かけて育てて来た親の愛が詰まっており、それを聞いて多くの新入社員が泣き出すそうです。親の愛に触れ、社員はやはり優しい気持ちになるのです。ちなみに、両親の誕生日や命日にも“親孝行有休”が付与されるというから、かなりの徹底ぶりですね。

 一方、社内では、“人間力セミナー”という勉強会も開催されています。バグジーでは、「スキルを高めたい」という美容師のモチベーションに応えるために、専門の研修所を建て、スキルの勉強会を熱心に行なっています。それと同時に重要視しているのが、この人間力セミナーなのです。