「大人のADHD」の待望の薬が承認
当事者も期待する大きな効果と副作用

 そんな中、大人のADHDへの「待望の薬」として当事者たちから期待されていた「コンサータ」(ヤンセンファーマ社)が、昨年12月20日に承認された。

 コンサータの正式名称は、メチルフェニデート塩酸塩。ドーパミンの再取り込みを防ぐことによって、不注意、衝動性、多動性などの症状を抑える。1回18mgの徐放剤のため、その効果は約12時間持続するという。

 ただし、大人のADHDと診断された人のうち、コンサータを使って効果があるのは「我々の印象では、ストラテラ(同じく薬物療法として承認されたアトモキセチン塩酸塩)とともに、5割から6割くらいではないか」(齊藤准教授)としている。

 コンサータが承認されて、1ヵ月以上が経過した。東京都新宿区で「大人の発達障害」のための「ネッコカフェ」を運営する、一般社団法人「発達・精神サポートネットワーク」 代表理事の金子磨矢子さんは、こう感想を語る。


「コンサータは、いままでは18歳までの子どもにしか認められていなかった薬なので、大人のADHDを抱えて困っている人たちは、早く解禁されるよう待ち望んでいました。 コンサータが保険適用になり、ひきこもっている人が外に出られるようになった、仕事に復帰できた、など救われた人は大勢います。ただ、集中できる時間は長時間の必要はないのです。朝飲みそびれてしまうと午後から飲むわけにいかないのがちょっと不便なところです。副作用としては食欲減退や睡眠しにくい状態、翌日に疲れが出るなどがあります。また、広汎性発達障害やASDなどの診断名の人には処方されない場合がありますので、ADHDを含んでいる人の場合はコンサータを出してもらいたいですね」

 齊藤准教授に、もう少し少ない量で処方できないものなのと聞いてみると、こう説明した。

「1回18mgは量が多くて、それより少ない量ではどうかというと、成人の場合、最大72mgまで増量できるようになっています。また、多くの場合、18mgでは十分ではない患者さんのほうが圧倒的に多い。量を減らしていくような薬だとは認識していません」

 大人の発達障害でも、ASDなど、ADHD以外の診断だった場合には、適応外になるという。