

LGやhtcの勢いがあった時代の記憶も新しい――というのは当たり前で、2年前には彼らは肩で風を切っていた。逆に言えば、わずか2年であっという間に凋落の危機を迎えてしまうのが、スマートフォン市場が戦国時代である所以でもある。
本来であれば、彼らはいずれも、デザインやライフスタイル提案に長けたベンダーである。そしてそうした要素がいまこそ求められているのだが、そうしたニーズに対応できないということは、彼らの状況は外部から見えている以上に厳しいのかもしれない。
MWCの会場には、日本では見慣れないベンダーも、数多く出展している。ある意味でMWCの醍醐味なのだが、冒頭で触れた通り、今年は駆け足で見て回ったので、新しい事業者を発掘することはあまりできなかった。
ただ、フィーチャーフォン時代からMWCに参加している人間としては、ノキアの安いGSMケータイの類似品を大々的に展示していたような(主に中国の)ベンダーが、スマートフォン全盛時代になったMWCに、果たして居場所があるのだろうか、ということは、気になっていた。
結論は、彼らも元気であった。ある者はそのままの姿で、ある者はM&Aで事業体を変え、と様々な変遷はあるものの、矢や鉄砲が飛び交うスマートフォン戦国時代において、しぶとく生き残っていた。
さらに言えば、MWC2014で生き残っていた事業者は、すでにスマートフォンの新しい潮流の上で、ポジションを作りつつあるようでもある。それは「スマートフォンのコモディティ化」だ。
Androidのおかげで、低スペックのスマートフォンであれば、もはやかつてのノキアの安いGSMケータイと同様、50ドルから100ドルくらいのレンジで、作ることができる。それどころか、ローエンドに目を向ければ25ドルの格安Firefoxスマートフォンを、反対にトップエンドでもクアッドコア搭載の高機能スマートフォンを、もはや彼らは何の気なしに作ることができるのだ。