2年前のことだ。江蘇省のとある地方都市の幹部とミーティングをしていたとき、私が他の地方都市から顧問就任の要請を受けていることを知り、この地方幹部は次のように発言した。

「いま、きちんとした顧問料を払える地方都市は少ない。ほとんど債務で首が回らなくなっている。むしろ、うちと協力関係を作った方がいい。うちは少なくとも財政にはかなり余裕がある」と。

 地方都市が抱える債務が大変だということは知っている。この幹部が指摘した問題も決して嘘ではない。しかし、地方都市の債務が果たしてどこまで深刻化しているのか、海外に住んでいる私には、あまり皮膚感覚がない。

 しばらく前に、ある専門家がブログで中国の主要都市が公表した情報をまとめたうえで、分析を試みた。それを読んだ私は驚愕した。

 そのまとめと分析の内容を大まかに次のように整理しておいた。ご参考に読んでいただきたい。

上海、北京の本当の負債比率

 ここ数日、各地で地方債の会計監査結果が公表されている。こうした数字を比較してみて、私(その専門家を指す)はいくつか予想外の部分を見つけた。ひとつは、北京と上海は意外にも「裸の王様」タイプの都市であるということ。二つめは、天津と重慶が「裸の王様」であることは周知の事実だが、驚いたことに広州の「裸の王様っぷり」は、この2都市以上だということ。三つめは、経済総量がベスト10といわれる都市のうち、深セン(センの字は土篇に川)だけが比較的まともである。