父からもらった5冊の図鑑にあった
動物進化系統樹でグラフィック作成

 デザイナー・小宮山秀明さんのデザインで、アカデミックなイメージというより、かっこよくなっていますが、おなじみ、動物の進化系統樹です。そのなかに、企業名とロゴがぽつりぽつりと。

 僕は、この進化系統樹が好きです。その訳は、動物好きということもあるけれど、おそらく小さい頃に見ていた「動物の図鑑」にこれがあったから。

 以前この連載で書いたこともありますが、僕の嗜好や考え方の原点は、小学校に入る前、ひとりっ子の僕に父親が買い与えた5冊の図鑑の影響だと思います。「動物」「魚類」「植物」「天文と気象」「体育とスポーツ」という、小学館の図鑑を日々延々見続けていたものです。

 そうやって刷り込まれたビジュアルに惹かれるのは53年生きてきても変わらない。というか、むしろ原点回帰というか、自己分析もできているからか、惹かれるものが、削ぎ落とされ、好みの芯が顕在化してきている肌感覚があります。

 そんななか、雑誌連載中、何かで見かけた、動物進化系統樹を見て、よし、これで何かインフォグラフィックを、と自然な流れでこうなりました。

わかっていただくための
カジュアルさも大切な発想

 さあでは、その形状で何を料理すれば面白くなるか、発想をぼやっと広げます。この回は、悩まずにすっと出てきました。動物の名前を、何かしらの名前に置き換えるのがオーソドックスに面白いのではと。それ以外にも、動物の形と何かの形を、形状見立てで作る方向もイメージしてみましたが、やめました。

 進化樹という扱う形そのものがひとつテーマ性を持っているので、そこに形を絡めていくことでディープになり、ひとりよがりな仕上がりになると思ったから。わかっていただくためのカジュアルさも大切な発想の要素でもあります。

 かといって、名前でいけると思ったけれども、ここで、人名では当たり前すぎてつまらない。たとえば、完成図右端中段<食肉目>のところに<熊田曜子>となっていても、いまひとつクリエイティブの匂いがしないのです。それは、動物の進化で、動物である人間が出てくるという、意外性のなさからですね。

 完全にベタになってはいけない。ニッチさ、捻りの残し方は、カジュアルさの微妙なバランス感覚で。