社会の根っこを理解して
女性が輝く社会づくりを!

「役員の女性割合 明記義務づけ検討へ」との見出しで、日本政府が、上場企業などに対し、有価証券報告書で役員に占める女性の割合の明記義務づけを検討しているとの報道がありました(NHK、4月28日)。政府は、2020年までに企業の役員や管理職などに占める女性の割合を30%程度にすることを目指すものの、現状、役員に占める女性の割合は、フランスが28%、アメリカが16%に対し、日本の上場企業では1%と大きく差があると解説が続きます。

 さて、これら女性役員比率の情報源がどこなのかは不明ですが、いずれにせよ、他国と比較する場合は、こうした数字の背後にある「根っこ」の違いを十分に認識する必要があります。根っことは、国民の人生観、労働観、歴史観、男女の関係や役割、個人の権利や社会の公正に対する姿勢などの文化価値観などです。

 例えばフランスでは、国や会社がワークライフバランスを口にしなくとも、個々人でバランスをとります。会社は社員の残業をあてにせず、社員は残業手当をあてにして仕事はしません。残業しても年間平均50時間と微々たるものです(フランス労働雇用厚生省2010年度統計-従業員10人以上の民間企業で働くフルタイム雇用社員)。

 また彼らは、個人の権利は主張し行使します。例えば5週間の年次有給休暇も、ごく一部の例外を除き完全消化です。これは、社長も平社員も、正社員も契約社員も全労働者に与えられた権利だからです(逆に雇用主は、これを全社員に与え完全消化させる義務を負い、仮に未消化社員の存在が発覚した場合は懲罰が科される)。

 さらに彼らは、会社で不公正や理不尽なことがあれば、これを黙って見過ごすことは稀です。相手が上司であれ「これはおかしい、受け入れられない」と主張します。そして、家庭には、日本の男性の3倍もの時間を家業に費やす男性がいます。

 このようにフランス人社会の根っこは、日本人社会のものとは大きく異なります。同国では、こうした根っこを前提に、男女ともに安心して働き、子どもを産み育て、長い休暇を楽しめて、ワークライフバランスが取れる社会と経済づくりが行われているのです。

 従って、日本もこうした国と目指す方向は同じとしても、まずは自分たちの根っこの特質をしっかり認識する。そして、これを十分に考慮に入れた施策をもって、女性が輝く社会づくりを進めるべきでしょう。