──やはり大学合格実績は、保護者の関心事ですね。他に学校選択で注目すべき事はありますか?

森上 これまでは、難関大学合格実績や偏差値が学校選択の主な基準でしたので、その場合には序列で選べばよかったのですが、さまざまなトレンドが出てくると迷いますね。

 東大合格者数に意味がない訳ではありませんが、今注目されているのは、やはりグローバル化への対応でしょう。武蔵や学習院などグローバル教育を強調した学校は受験生が増えました。

 また、大がかりな改革を打ち出している学校も生徒を集めています。広尾学園のように、サービス精神を発揮する学校は保護者の人気を集め、偏差値も大きく上がりました。

 一方で、今後大学入試も大きく変わろうとしており、選抜機能が緩んでいく中、これまで以上に学習意欲をどこで持たせるのか、ということが問題になってくるでしょう。

 例えば図書館を利用した自発的な学習やアサーティブなコミュニケーションの演習といった人間教育など、それぞれの学校の教育の力が試されてくると思います。

 学校選択の指標としては、(1)財務状況を確認すること(2)定員を満たしているか、満たしていない場合、そのことについて明確に説明をしているか(3)時代のニーズに一定の答えを持っているかというところはチェックしてみるといいでしょう。

 学校選択には景気の影響も大きいと思いますが、公立中学に行った場合の生活と私立中学に行った場合の生活をシミュレーションしてみて、どちらが満足できそうか、比較してみてはいかがでしょうか。

──最近の入試問題の傾向と対策について、教えてください。

森上 特に目立った変化はありませんが、最近は過去に出された良問が出題される傾向がみられます。基本の力をしっかりと身につけているかどうかを問う問題が増えていますので、基礎力をしっかりとつけて、正答率50%の問題は落とさないこと。テクニックに走るのではなく、ベーシックな問題を、理屈を理解して、楽しみながら解く練習をすることをお勧めします。また、できるだけ早めに志望校を絞り込み、準備不足にならないように、受験校別対策をすることをお勧めします。

 

PROFILE
森上教育研究所 所長
森上展安(もりがみ・のぶやす)
1953年岡山県生まれ。早稲田大学法学部卒業。87年森上教育研究所設立。私立中高の実態に詳しく、民間教育の立場から幾多の提言を行う私学教育研究の第一人者。新聞・雑誌への寄稿も多い。受験生保護者対象にほぼ毎週講演会を実施している。「わが子が伸びる親の『技』(スキル)研究会」(oya-skill.com

 

[制作/ダイヤモンド・ビッグ社]