管理項目を決めると
管理帳票が決まる
営業マネジメント改革のステップ1は「営業管理項目の設定」です。要するに、部下の何を管理すれば営業PDCAが効果的に回せるのかを決めるということです。
なぜこれが最初に来るかというと、営業マネジメントの大前提となる「営業管理帳票」を作成するためです。営業管理項目を決めると、必然的に営業管理帳票が決まります。営業管理帳票とは、「客先別販売予想表」「業績先行管理表」「商談管理表」「ターゲット顧客攻略シート」「計画日報」などの営業マネジメントツールのことです。営業マネジャーは、これらのツールを活用しながら営業PDCAを回していくのです。
部下が1人か2人なら、営業管理帳票は必要ないかもしれません。しかし3人以上になると、各営業マンがどんな動きをしているのかを管理帳票にまとめさせなければ、チームの状態を把握できなくなってしまいます。
先ほどの「先行管理」と「差額対策」の話を思い出してください。営業PDCAを回すためには、数ヵ月先から半年先までの(すなわち今から手が打てる未来の)チームの見通しと、予算との差額を把握する必要があります。この差額がわかるからこそ、効果的な差額対策が打てるわけです。そのためにも、営業管理項目の設定はきわめて重要なのです。
営業管理項目には、主に次のようなものがあります。
【営業管理項目の代表例】
・売上の実績と見通し(顧客別または案件別)
・利益の実績と見通し(顧客別または案件別)
・現在抱えている案件・商談
・訪問予定と実績
・PR件数
これらの項目を眺めても、どれを採用するべきかはよくわからないでしょう。しかし、営業管理項目は自由に設定すればよいわけではなく、その営業組織がどんな営業パターンで動いているかによって自ずと決まってくるものなのです。つまり、チームの営業パターンによって、マネジメントのポイントが変わってくるということです。
ですから、営業管理帳票を考える上で押さえておくことは、自チームの営業パターンがどのようなものかということです。
営業には3つのパターンがある
一言で営業といっても、顧客の購入頻度によっていくつかのパターンがあります。営業パターンは大きく次の3つに分類されます。
【営業パターンの分類】
①継続的購入パターン(=ベース型)
②非継続的購入パターン(=スポット型)
③上の①と②が両方含まれるパターン(=ベース+スポット型)