北京大学は日本に先んじて
ロボットと法律・倫理問題を研究

 ところで、ロボットと法律というと、米国の作家アイザック・アシモフのSF作品に出てくる「ロボット工学三原則」のように「ロボットは人を殺してはならない」などのロボットに課す法律を連想しがちだが、「そうした法律は、ロボットが自律的な意思を持って、自分が法律を破っていいかの判断ができるまで必要がない。それまでは人間がどんなプログラムを組むかという問題にすぎない」と、ロボットと法の問題に詳しい花水木法律事務所の小林正啓弁護士は言う。

 しかし早晩、そうしたプログラムに法律的な問題、倫理的な選択を迫られる時期が来る、と小林弁護士は予測する。

 例えば自動運転車が急なパンクなどでコントロールを失ったとする。右にハンドルを切れば対向車線に運転手1人のトラック、左に切れば歩行者を2人はねるという局面で、どちらを選ぶようプログラムすべきか。

「オーナーの命を守るために歩道の2人をはねるのが正しいと考えるべきだろう。まずはドライバーの命、次に歩行者の命というように、ルール作りをしなければならない」(小林弁護士)

ロボットと法の在り方を論じる北京大学の「ROBOLAW.ASIA」(http://www.robolaw.asia

 その他、自動運転中にドライバーが寝ていたり、まったく別の作業をしていて事故が起きたら、それはドライバーの責任か、自動車(メーカー)の責任か。民生用のロボット技術が海外で兵器に転用された場合、それは武器輸出(防衛装備移転)三原則に触れるのか──。

 こうした議論でも、明らかに日本は遅れている。

 北京大学にはロボットとAIの法律と倫理問題を扱う「ROBOLAW.ASIA」というサイトがあり、さまざまな論考に取り組んでいる。サイト名からも、この分野での“アジアの盟主”を自任している様子がうかがえる。

 来るべき社会をどう見据えるか。赤旗法の愚を繰り返してはならない。