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「デジタルな日常」を生きる

デジタルな日常を
気配のように実現するアップル

松村太郎 [ジャーナリスト・著者]
【第19回】 2014年6月20日
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アメリカでオリンピックを見るには
ケーブルテレビ契約が必須だった

 日本勢、特にフィギュアスケートを観戦したかったため、ケーブル契約をしていない我が家で、ネットを介して視聴する方法を探したが、有料でも良いという前提にもかかわらず、発見することはできなかった。

 結局、ケーブルテレビの契約をするしか方法がなかったため、日本勢が滑り始める2時間前にComcastのショップへ駆け込み、デジタルチューナーを持ち帰って自分でセットアップし、試合開始に間に合わせることができた。

 インターネットの回線が日本に比べて貧弱ながら、ネットサービスが発達している米国であっても、オリンピックの映像をインターネットを介して見ることはできなかった。日本では、NHKなどのスマートフォンアプリでの視聴も可能だったことを考えると、ネットやモバイルの普及と行ったテクノロジーそのものの問題だけでなく、放送のビジネスモデルや課金の方法で、サービスの差が生まれてしまっていた。

 しかしワールドカップでは、Apple TVでのワールドカップ視聴が非常に楽しい。視聴するにはやはりケーブルテレビの契約が必要で、Apple TVに表示されるコードをESPNのウェブサイトから有効化し、映像が見られるようになった。

Apple TVでの
ワールドカップライフ

 ライブ中継では、リアルタイムに更新されるデータやツイッターのタイムラインを見ながらの観戦が醍醐味になった。やはり世界中と同時に見ながら、一体感までも楽しめるからだ。しかしそれだけでなく、自分で録画しなくても、テレビだけで自由に何度も試合を見直すことができる仕組みは、便利を通り越して、もはや「そうあるべきもの」という感覚すらある。

 Apple TVは現行モデルが2年前に登場してから、そのまま販売が続いている。しかしソフトウエアはアップデートしており、様々な放送局が新たに対応したりアプリが増えている。こうしたアプリは、ネットにつながっているスマートテレビという言葉以上に、映像の楽しみ方を新しいものしてくれている。地味ではあるが、着実に変化をもたらしているのだ。

 テレビを例に挙げると、スイッチを入れれば映像が見られるというシンプルなサービスとして、日常的に使ってきた。ところが、いざ不便さを感じたり、思うように視聴できない状況に遭遇すると、今まで当たり前だと思っていたサービスに対する疑問が湧いてくる。

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松村太郎
[ジャーナリスト・著者]

まつむら・たろう/1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「スマートフォン新時代」「ソーシャルラーニング入門」など。

「デジタルな日常」を生きる

スマホ、SNSなど、毎日の暮らしに欠かすことのできなくなったネット環境とデジタルツール。その一方で、セキュリティやプライバシーの問題、ツールへの依存、ネットコミュニティとの関わり方など、日々新たな問題が現れ、状況は変化している。私たちは「デジタルな日常」をどう生きていけばいいのか、米国シリコンバレー在住の記者が、生活者の目線で解説する。

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