A子さんは、孫たちにも「はい、お小遣い」といって、お金を少しずつ渡していたようだった。

 孫たちは、昼間になると、それぞれどこかに出かけていった。しかし、彼らの行先については、誰も知らない。

 兄弟姉妹がそろって引きこもっているというケースは、筆者が知っている限り、結構ある。同じ家庭環境、教育環境の価値観で育ってきたという事情もあるだろうし、お互いに影響し合うという面もあるのだろう。

 兄弟姉妹が引きこもっていると、仲が悪くなることは少なくない。お互いに家を取り合い、家に居場所がなくなると、外に出ていってぶらぶらと時間をつぶしているという話も、よく当事者から聞く。

 しかし、兄弟姉妹の4人全員、引きこもり状態にあるという状況は、なかなか想像ができない。

 孫たちは、医療機関にかかっていなかったため、背景に2次的な発症も含めた医学的な問題が隠されているのかどうかさえ、わからなかった。

A子さんの死で年金収入ゼロに
“大黒柱”を失った6人家族の行方

 そんな家族を支えていたA子さんが最近、病気で亡くなった。

 親の年金だけを頼りに暮らしていたようなケースの場合、残された当事者たちが閉ざされた世界の中で情報やノウハウ等を知らなければ、これから先、どうやって生きていけばいいのかわからなくなる。

 介護の仕事を通じて、かろうじてつながっていたBさんも、A子さんが亡くなってからは、一家に関わることができなくなった。

 この情報を第三者につなげて、介入してもらったほうがいいのではないか。そうBさんは心配したものの、どこにどのようにつなげればいいのか、わからなかったという。