コスト高で五輪開催を見送る都市が続出
「カネのかからない」五輪が今後のトレンドに

「招致活動の時と言っていることが違う――」

 こんな批判がIOC側から出るかと思いきや、先月27日にIOCのジョン・コーツ副会長が東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会に対し、招致活動の際に提出された計画案の見直しや縮小の可能性に理解を示す発言を行っている。

 ロイター通信は、「もっと既存の施設や仮設スタンドを活用すべき。プログラムをよく練ることで、1会場で複数の競技を実施することも可能になる」というコーツ副会長の談話を伝えている。

 東京オリンピック・パラリンピックの総予算は約4500億円とされており、2012年に開催されたロンドン大会の約1兆1000億円と比較すると、コスト面にもかなり配慮した大会運営が期待される。舛添都知事が指摘したように、建設現場における人件費や建設資材の高騰は、東日本大震災の復興事業が続いていることもあり、収拾の兆しが見えてこない状態だ。現状では4500億円ですべてをカバーすることができないという声が強く、会場計画の見直しなどによってコストを削減するという舛添都知事の方針には説得力がある。

 ロンドン大会で約1兆1000億円が使われ、2020年の東京大会でも約4500億円が総費用として使われる見込みだが、開催都市のインフラ整備などに差が存在することを考えた場合、開催地によって費用が大きく異なるという事情も理解できる。2010年の北京大会では約4兆円が使われたと複数のメディアが報じており、今年ロシアのソチで開催された冬季オリンピック・パラリンピック大会では過去最高額となる約5兆円が使われたとされている。

「五輪の開催はとにかくカネがかかる」というのは、長年にわたって世界中で定説となっており、住民投票や自治体の決定によって五輪の招致活動から撤退する都市もある。

 2022年の冬季五輪開催地はまだ決定していないが、北京かカザフスタンのアルマトイになるのではないかとの見方が強まっている。当初は8都市の名前が挙がっていた2022年大会の招致活動だが、すでにドイツのミュンヘン、スイスのダボス、ポーランドのクラクフはそれぞれの住民投票によって否決され、招致活動から撤退している。

 また、スウェーデンのストックホルムも昨年12月、市側が財政支援を一切行わない決定を下したため、招致活動を取りやめている。ウクライナ西部のリヴィウも2022年大会の開催を目指していたが、現在も混乱が続くウクライナ情勢の影響を重く見たIOCが大会の開催は困難と判断。先月30日に立候補の断念を発表している。