製造業界にも、モノのインターネットIoT(Internet of Things)やビッグデータの波がやってきました。中でも、自動車業界では、グーグルの自動運転車や、各メーカーのテレマティクス関連の話題が連日盛り上がっています。グーグルなどのように、他業種からの参入が加速する中、各メーカーは新たな一手を模索しています。社内だけでなく、社外の力をかりてオープンイノベーションに取り組もうという企業も出てきました。トヨタ自動車では今年から「トヨタベンチャーズ」といったプロジェクトをスタートさせることが、先日明らかになりました。

 日本を代表する産業として日本経済を引っ張ってきた、モノづくり業界。いまやグローバルに展開し、数千人以上の社員を抱えている大企業も、かつてはベンチャーでした。数十年来培われてきた企業独自の風土、組織体制が根付くなかイノベーションを起こせるのか。正念場が迫っています。

 今回は、企業クチコミサイト「Vorkers(ヴォーカーズ)」が発表した「働きがいのある企業ランキング」から、外的環境の変化に直面している「自動車・機械業界」の働きがいについてみていきたいと思います。

上位10社は全て日本企業!
安定の自動車・機械業界とその実態

前回取り上げたIT業界をはじめ、金融、小売り、メディカル、マスコミなど多くの業界では、トップ10内に外資系企業がランクインします。しかし今回取り上げる「自動車・機械業界」では、総合トップ10にランクインした全ての企業が日系企業となりました。「20代の成長環境」に絞ってみると、9位コンティネンタル・オートモーティブ(3.63pt)や10位日本ミシュランタイヤ(3.60pt)と外資系企業もランクインしていることから、総合ランキングに外資系企業が入らない背景には、参入障壁の高さとともに、日本企業のモノづくりに対する競争力が伺えます。