まして、若者を地方に定着させることにとらわれるあまり、漢方薬のようにゆっくりと成果が上がってくるであろう地域産業の育成を待ちきれず、特効薬である公共事業に回帰してしまうことを懸念するのは考えすぎであろうか。

補助金、公共事業への依存を減らし
生産性を高めることが地方自立への道

 地方への若者の定着や少子化の克服は、あくまで地方経済活性化策が功を奏したことによりもたらされる副次的な効果である。地方で雇用を生むことばかりに拘泥し、過度に公共事業のようなカンフル剤に頼れば、結果として国全体の活力低下をもたらす恐れがある。

 地方再生において今なすべきは、既存の地場産業、あるいはこれから立ち上げる産業の付加価値生産性を高めることに注力し、補助金などへの依存を減らし産業の自立を促すことと、公共施設の集約と再編を進めることである。人口目標や若者の地方への定着はあくまでその結果の上にもたらされるものと心得、それらの政策を地道に、かつ意欲的に進め、地域の自立性や持続性を高めることよってこそ、わが国成長戦略成功への道が拓けよう。