「発音がよくなければ、そもそも聞いてさえもらえない」が現実

 第一、発音がよくないと、英会話も盛り上がりません。

 たとえば、日本語が話せる外国人と会うことになったとしましょう。その人が完璧な日本語の発音で「はじめまして」と挨拶した場合と、カタコトのひどい発音で「ハジメマシテ」と挨拶した場合、どちらのほうが会話が盛り上がるでしょうか?

 たとえ、日本語のボキャブラリーのレベルが同じで、内容のおもしろさも同程度であったとしても、きちんとした発音で話されたほうが、ストレスが少ないため「もっと話してみたい」と感じるでしょう。発音がよく、聞いていてストレスがないと、相手は自然と耳を開いてくれるのです。

 時々、「内容がよければ、発音は多少デタラメでも聞いてもらえる」という人がいますが、あれはウソです。むしろ、「発音がよくなければ、そもそも聞いてさえもらえない」が現実

 実際に「なまりがあり、発音が正しくない人の話は、たとえ正しいことを言っていたとしても信用されない」という心理学のデータもあるほどです。ハリウッドの映画を観ていると、悪役にはかならずと言っていいほど、「ロシアなまり」や「スペインなまり」があります。つまり、「ヘンな英語を話す人」=「信用できない」という暗黙の了解がネイティブのあいだにはあるのですね。

 逆に、きちんとした発音を身につけていれば、初対面で簡単なあいさつや自己紹介をしただけでも、「オーッ! すばらしい英語を話しますね!」「いったいどこで教育を受けられたんですか!?」とネイティブは感動してくれます。

正しい発音は、人間関係の「入口」と言えると思います。

 せっかくがんばって英語を勉強するのなら、仕事で、旅行で、留学で、プライベートで確実に活かせるようにしたいですね。最終回となる次回(9月3日掲載予定)はいよいよ、正しい発音を身につけるためのポイントをまとめてご紹介します。