ターゲットは俺!?
『ザクとうふ』大ヒットの秘密

発売からわずか2ヵ月で100万機を出荷した「ザクとうふ」

「弊社の商品開発は、すべて社長のアイデアです」(片岡玲子・相模屋広報室長)

 片岡さんがこう話すように、同社が手掛ける変わり種商品のきっかけは、すべて鳥越社長にある。2012年に発売されて大きな注目を集めた「ザクとうふ」ももちろん、ガンダムファンである鳥越社長のアイデア。いや、アイデアというより「社長の趣味」で生まれた商品だ。

「ターゲット=俺」と社長が掲げたトップダウンの商品開発は、まさかの大ヒット。発売からわずか2ヵ月で100万機出荷という驚異的な数字を叩き出し、これまで豆腐を自ら好んで買うことのなかったガンダム世代の30~40代男性の心をがっちりと掴んだ。

「これまで豆腐市場には、ターゲットを絞った商品はありませんでした。しかし、『ザクとうふ』の成功でそれが“アリ”だとわかった。そこで、もっと世代に応じた商品があってもいいのではと思ったのです」(片岡広報室長)

 ということで、同社は今年4月に子ども向けの甘い豆腐「プチとうふ」を発売。バナナ風味、いちご風味、プリン風味、ココア風味と変わり種ばかりを揃えた。そして今回、満を持して登場したのが、若い女性をターゲットにした「ナチュラルとうふ」だ。

 かつては一丁をみんなで分けて食べる「家族」のものだった豆腐。しかし、嗜好の多様化や1人暮らしや核家族化が進む、私たち日本人の暮らしの変化とともに、豆腐が求められる姿も変わってきた。そこで、相模屋は個のニーズにあわせた新しい豆腐市場と豆腐の消費スタイルを続々と生み出しているのである。