「安心できる居場所」があると、
子どもは自分が好きになれる
8、9歳くらいの幼少期までに「頭のよさ」の核心部分が育ちます。さらにこの時期は、
「人生を前向きに生きることができるか」
という、社会人としての根っこが育つ時期でもあります。そして、「前向きに生きる力」は、その子どもが持っている「自己肯定感」の総量によって決まります。
自己肯定感とは、「自分のあり方を評価できる感情、自らの存在意義を肯定できる感情」のこと。わかりやすくいうと、
「自分が好き」
と思える気持ちです。
「自分が好き」と思えるようになれば、「自分を信じる」ことができます。「自分は、やればできるんだ」という有能感が支えとなって、ものごとを前向きにとらえることができます。
「自分の好きなことを続けていけば、いずれ、うまくなるんだ」「最初は苦手なことでも、途中で放り出さなければなんとかなるんだ」と、体感覚として実感できれば、子どもは努力をいとわず、どんなことでも乗り越えようとするでしょう。
では、わが子に自己肯定感を持たせるには、どうすればいいのでしょうか?
自己肯定感の土台となるのは、「安心できる居場所」です。
まわりの顔色をうかがって「怒られるんじゃないか、笑われるんじゃないか、バカにされるんじゃないか」とびくびく怯えているようでは、自己肯定感は育ちません。
自己肯定感を伸ばすには、「のびのびと自分を表現できる環境があること」が前提なのです。
自己肯定感には「層」があり、大きく2つの層にわかれていると私は考えています。
「内側の層(中心の層)」と、「外側の層」です。内側の層は、家庭によって築かれ、外側の層は、学校・友人など、外的な環境によって築かれます。
子どもが自分を好きになるために、もっとも重要なのは、「内側の層=家庭」です。外の環境で嫌なことがあっても、家に帰れば安心できる、お母さんがひたすら笑顔で受けて入れてくれる。お母さんがいつも褒めてくれる。そう思えるからこそ、子どもは、外で頑張れるのです。