なぜこれほどまでに女性に優しいのか?
ワーキングマザーを助ける税制優遇措置
シンガポールは「女子の自立天国」である――。
政府が成長戦略として「女性の活躍」を謳う日本だが、女性が活躍できる土壌そのものはまだ整っていない。それに対してアジアにおけるグローバルの象徴とも言えるシンガポールでは、女性が仕事で活躍できる土壌がカンペキに整っている。
「女性は食事をつくったり家事をしなくてもいい」「親戚・ご近所さんの子育てサポートは当たり前」「夫にイクメンを求めて当然」「女性でも能力さえあれば、どこまでも昇進できる」といった状況が当たり前となっていることは、連載第8回でお伝えした通りだ。
なぜシンガポールは、これほどまでに女性に「優しい」のか。前回に引き続き、女性が活躍しやすい“土壌”をさらに掘り下げ、日本社会への教訓を述べたい。
シンガポールはとにかく小さな島国国家で、日本とは比べ物にならないほど人口も少なく、建国当時から女性の労働力を活用せざるを得ない状況にあった。
そのため、女性就労に関する税制優遇処置は、大小の差はあれ、20年も前にすでに存在しており、シンガポール政府は活発にワーキングマザーの社会進出を支援している。
シンガポール政府は、どのような税制優遇措置でワーキングマザーをサポートしているのか。主なものを紹介しよう。
(1)産後にワーキングマザーになると、旦那さんも税金控除をGet!
(2)ワーキングマザーは、子ども1人目は15%、2人目は20%、3人目以降は25%の課税所得控除をGet!
(3)子ども1~2人目で6000ドル、3~4人目で8000ドルのベビーボーナスをGet!
(4)ワーキングマザーが親に子どもを預けると、税額控除Get!