第一の組織感情は、「活性度の高い快感情が共有された状態」です。仕事が面白く、職場が楽しいという高揚感があり、自ら進んでやってみようという主体感や、組織全体で同じビジョンや目標を達成しようという連帯感も共有している。そういった前向きな「イキイキ感情」が共有された状態です。

 第二の組織感情は、「活性度は低くても、快感情が静かに共有された状態」です。これは主に、お互いに対する温かい気持ちが共有され、お互いが弱いところを補い合っているような職場に見られる感情。つまり、支えあい感があり、お互いのよさを認め合う感情が共有されている状態です。お互いが笑顔で接しあえる「あたたか感情」であると言えます。

 また第三の組織感情は、「活性度が高い不快感情が共有された状態」です。仕事への切迫感、緊張感が高く、うまくいかないことへのイライラ感が募る。そのイライラが他者に向かい始めると、「相手が何を考えているのかわからない、もしかしたら悪意を持って追い込もうとしているのではないか」という不信感が増大している。つまり、「ギスギス感情」が広がった状態です。

 そして第四の組織感情は、「活性度が低く、静かな不快感情が共有された状態」です。なんとなく気が重い、沈滞感が広まる。そして、現状や将来に対する強い不安感が広まり始める。やがて、「何をしても結局は変わらない。このままでよい」というあきらめ感が広がる。これが「冷え冷え感情」が広がった状態です。

 この4つのマトリックスを見ると、「一般的に“ご機嫌な職場”は第一、第二の職場、逆に“不機嫌な職場”は第三、第四の職場」ということが言えるでしょう。まずは、自分の職場の感情を大枠で掴んで、具体的な対策を考えてみてください。

どんな職場も「不機嫌職場」へ
陥りかねないという落とし穴

 ただし、話はそれだけでは終わりません。注意すべきは、「それぞれの感情が自己制御できる範囲を超えてしまうと、あらゆる職場がネガティブな方向へ向かって行きかねない」ということです。

  「組織感情マップ」を見れば、順に「燃え尽き感情」「ぬるま湯感情」「攻撃感情」「引きこもり感情」などが広がって行くことがわかります。

 こうなると、職場全体に不健康な人たちが次々に生まれて行くことになります。疲れ果ててしまう人、怠惰になってしまう人、人を傷つけて自分を傷つける人、自分の中に閉じこもる人――。こんな人が増えていく職場になってしまいます。

 こういう状態になると、精密検査をして原因を特定し、治療しなくてはならず、場合によっては大がかりな“手術”が必要になります。