たとえば、今は「イキイキ感情が高い」からといって、安心できるわけではありません。イキイキ感情ばかり強い組織は、一見元気があり、活力のある組織に見えますが、そのノリ、勢い、スピードについていけずに、過度なプレッシャーを感じる人が現れるリスクもあるからです。

 それがやがて自分への苛立ち感や周囲への不信感、すなわちギスギス感情に転化していくケースも多く見られます。

 さらに、このギスギス感情が広まっていくと、逆に冷めた人たち――そういう状況を見て落ち込み、あきらめ、関わりを拒絶しようとする人たちも増えていきます。

 つまり、一見、イキイキとした感情にあふれた組織が、気づくとギスギス感情が広がり、やがて冷え冷え感情も蔓延して来る。こんなことが起きてしまいかねないのです。

組織感情は自分たちで
マネジメントするべし

 大切なのは、こうした組織の健康診断を通じて、「自分たちの職場の健康は、自分たちで守る」という考え方を共有することです。

 緊張感が高まっていたり、イライラ感が増えて来たら、過度なプレッシャーに潰れかけている人がいないか、その原因を取り除くことができないかを話し合ってみてください。

 冷え冷え感情が広まり、お互いが閉じこもり、見えなくなってきたら、一人ひとりの状況を共有することから始めてください。「各人が今、何に悩んでいるのか」を、素直に開示し合えるような、そんな取り組みをしてみてください。

 病巣が広がらないうちに、自分たちで早めに兆候を察知して、お互いに気を配ることで、“負の感情の連鎖”が起きる前に侵攻を食い止めることができます。

 負の連鎖が広がり、感情崩壊ラインを超えてしまってからでは、治療は大変になります。自分たちで予防をする、つまり「ちょっとした風邪は自力で治す力」を身につけて欲しいのです。

 自分たちの職場の健康は、自分たちで守る――。皆さんも職場の健康診断を、ぜひ定期的に行なってみてください。

(ジェイフィール執行役員 高橋克徳)