フィーの明細にある不可解な項目
「クオリティ・インシュアランス」とは?

並木 プロジェクトありきではなく、何が本当の課題なのかを議論し、お互いが納得したうえでスタートすることは大事ですよね。納得感という意味では、フィーについては率直にどんな感想をお持ちですか?

村野 夜中まで一緒に仕事をして、明朝8時には完璧なプレゼン資料ができ上がっているとか、そういう点に関しては本当に感謝しますし、フィーに関して文句を言おうなどいう気持ちも起きません。 

改革の立案だけでなく実践と効果にコミットし<br />フィーも成果に連動させたコンサルが理想だ「コンサル業界は、ITの世界ほどフィーの根拠がはっきりしていない」(村野さん)

 でも、大手コンサルティング・ファームのフィーには、「クオリティ・インシュアランス(品質保証)」と称して、パートナーの方たちの費用も入っている。私がプロジェクトリーダーをやっていても、そういう方たちに会うことは滅多にありません。きっとメンバーを通じて価値のある助言をくださっているんだとは思いますが……。何に対するフィーなのか率直に尋ねたこともありますが、納得できる回答はなかったし、滅多に会うこともない人の高額なフィーが料金に含まれているのに承服しろと言われても難しいところがありますよね。

並木 村野さんは、フィーの内訳までご覧になっていたんですか。

村野 見せてもらっていました。それはフィーが高いのか、安いのかを議論する際のエチケットだと思うんです。こちらの発注の仕方に問題があるのかもしれませんし、社に来てもらうコンサルタントの人数についても細かく交渉したりしました。

 IT系だと、フィーの根拠になるマンアワー(人数×時間)が非常にはっきり出るので、一度、徹底的に精査してみようと思ったこともあります。でも「御社のために時間を使っていました」と言われればそれまでですから、本当のところは分かりませんでした。

 たとえば、コンサルタントの方たちは複数のプロジェクトを同時に抱えていることも多い。いつも来てくれる方が今日はいないなと思うと、明らかに別のクライアントの仕事で出張に行っていたりするわけです。コンサルティング・ファームにとっての最適化なのかもしれませんが、クライアントとしては寂しさを感じますよね。

並木 今、お仕事をされているリコーイメージングでは、コンサルティング・ファームとどういうお付き合いを?