年間の「支出額」の多さと、
「貯蓄額」の少なさにがく然!

 次は、給与明細や通帳から「年間貯蓄額」を出す。財形貯蓄や社内預金をしていると給与明細に天引き積立額が書いてある。その他に銀行等で積立貯蓄をしているなら、それも計算し、普通預金に入れっぱなしの人は、年初の残高から年末の残高を差し引くと「残ったら貯金」の金額が把握できる。

「手取り年収」から「1年間の貯蓄額」を差し引くと、「わが家が1年間で使ったお金の合計額」がわかる。この段階で前述の質問のうち、「年間支出額」と「年間貯蓄額」の2つに答えられるようになる。

 手取り計算に続いて、今度は年間貯蓄額の少なさと、使っているお金の多さに再度驚くことになるだろう。額面年収に対して手取りが少ないのは「こんなに税金や社会保険料が引かれているのか!」と怒りを外に向けることができるのだが、貯蓄額の少なさと支出額の多さについては誰かのせいにすることができないので、やりきれない気持ちになるかもしれない。でも、現実は知らないより知って良かったと前向きに考えよう。

 年収800万~1000万円は、気を引き締めないとお金が残らない収入帯だ。就職で苦労した30代(給料が上がっていない世代)から「上司はよくお金がないって言うんですけど、バブル世代だから結構高い給料もらっているはずなのに、どうしてお金がないって言うのでしょうね」と聞かれることがある。

「本当にないのだと思いますよ」と言いながら、メモに「生活費月20万円で年240万円」、「住居費は、住宅ローン返済や固定資産税もろもろで年180万円」、「子どもの私立中学の学費、二人で年200万円」、「夫婦それぞれの小遣いや帰省費用、その他の支出で年100万円」と書き出す。これで年間支出は720万円。額面年収1000万円だったとしても、先の家族構成だと手取りは728万円なので、貯蓄に回せるのはわずか年8万円。

 1000万円という年収は誰でももらえる額ではない。「年収が高いのだから、それ相応の“ちょっといい暮らし”ができるはず」と考えて、前述のようなお金の使い方をすると、728万円の手取りはあっという間になくなってしまうのである。そもそも「年収1000万円」と考えるから間違ってしまう。「手取りは728万円」として、プランを立てることが重要なのだ。