「自分の力で解き明かす」快感を、
子どもに経験させる
実は、私も、なんと、丸2年間かけて、考え続けた難しいパズルがあります。ある日、あるとき、突然に、
「うぉ、きた! これだ! わかっちゃった!」
とひらめきました。答え合わせをしてみると、大正解。
パズルが解けたところで、お金がもらえるわけでも、誰かに褒めてもらえるわけでもありません。
それでも、丸2年間、考え続けてよかったと思っています。身震いするほど大きな「わかっちゃった快感」を味わうことができたのですから。
「花まる学習会」では、子どもたちに、「わかっちゃった快感」をたくさん与えてあげています。その快感を教えることこそ、私たちの教育です。
「わかっちゃった快感」を味わえば味わうほど、「自分で考えること」が好きになります。「なぞぺー」や「アルゴ(推理カードゲーム)」の答えを、教えようものなら、
「やめて!」
「つまらなくなるから、教えないで!」
「自分でやりたい!」
と、すぐに子どもたちから声が上がります。自分でゴールにたどり着くことが、何よりの快感であることを、子どもたちも、体感覚としてわかっているのです。
難関中学に入るような子どもは、その傾向がとくに顕著です。納得がいくまで、食い下がります。彼らは、答えが知りたいのではありません。「自分の力で解き明かしたい」のです。
結果として答えにたどり着けなかったとしても、「わかっちゃった快感」を忘れないかぎり、子どもはいつまでも、探究心を持ち続けることができるでしょう。