この決意は、その後今日に至る25年を超える年月の経過の中で、一貫して持ち続けてきた。

 合理的な大人の関係をつくるには、双方が成熟した国家として相手に甘えることなく自己の責任を果たすことが、基本とならなければならない。日本は植民地支配を行った結果生じていることについては、韓国に迫られてではなく、日本の責任として自発的に行動しなければならない。

 そういう思いで、在日三世の地位の問題や在韓被爆者治療の問題、戦後日本国籍を放棄せざるを得ずサハリンに取り残された韓国人保護の問題などなどについて、韓国政府から要求されるまでもなく、日本政府の責任で措置を講じてきたのである。

歴史問題における日本の自発的な対応
両国とも国内世論の刺激を慎むべき

 慰安婦の問題も同様である。1995年以降、国民の寄付からなるアジア女性基金からの見舞金、政府予算での相手国福祉関連への支援、首相の謝罪の手紙という3つの措置は、雇用に際しての強制の有無を前提にすることではなく、女性の尊厳が損なわれたことへの見舞であった。

 これは韓国以外のインドネシア、フィリピン、台湾、オランダなどからは日本の誠意として受け止められ、問題は収束したのである。韓国も、日韓基本条約で日韓双方が請求権を放棄した以上、日本との法的な問題は残っておらず、元慰安婦への支払いは韓国政府が行うとした政権もあった。

 しかし韓国政府は、「努力が足らない」という2011年8月の韓国憲法裁の裁定以降、従来の主張を変え、日本への要求を正面切って行うようになった。