自信のない人です。
課長は、上層部、上司、部下、関係部署など多様なステークホルダーに囲まれる難しいポジションです。それだけに、自信のない人は、「強い者」の後ろ盾がほしくなりがちです。しかし、そのような理由で、有力者の庇護下に入ると、ほぼ間違いなく隷属的な立場に追い込まれるでしょう。
それよりも、不安に耐えながらも、黙々と仕事力を磨くことに専念したほうがいい。そして、「結束の緩やかな派閥」と等距離外交を続けることで、社内的な立場を築いていくほうが堅実なキャリアが拓けるはずです。
自分の「損得」を見極めて、
派閥との距離感を選び取る
もしも、閉鎖的な派閥に片足を突っ込んでしまったときには、深入りする前に離れるほうがいいでしょう。
そのためには、なんらかの理由(ウソでも構いません)をつけて、派閥の集まりに行かないことです。「派閥を抜けます」と宣言して、わざわざ角を立てる必要はありません。ただし、角を立てたくないばかりに、このような断り方をしてはいけません。
「すみません。行きたいのですが、その日は息子の幼稚園の運動会で、どうしても参加することができないんです。またの機会にお願いいたします」
これでは、相手は「次回も誘っていいんだ」と思ってしまいます。そうやって期待を持たせながら何度も断っていると、むしろ反感を買いかねません。
次のように、参加できない理由だけをシンプルに伝えるほうが無難です。
「すみません。その日は息子の幼稚園の運動会で、参加することができないんです」
もちろん、多少、派閥の構成員からプレッシャーを受けることはあるかもしれませんが、このように断り続ければいずれあきらめます。そして、仕事上で彼らと接点があるときには、プロフェショナルとして誠実な対応を心がけておけば、大きな不利益を被るおそれは少ないでしょう。
課長は、これから先、長いキャリアを積んでいかなければなりません。
閉鎖的な派閥に入って、その可能性を狭める必要はありません。自分にとっての「損得」を計算したうえで、派閥との距離感を意識的に選びとるように心がけるのが賢明です。派閥活動に飲み込まれて時間を無駄にしたり、余計な敵をつくったりしないように、くれぐれもお気をつけください。