今年4月の消費増税後、日本経済が振るわない。7~9月期の実質GDP成長率はマイナス1.6%となり、安倍政権は消費税率再引き上げの延期と解散総選挙を決めた。果たしてこの決断は正しかったのか。景気悪化の原因は消費税だけだったのか。誤算はどこにあったのか。この2年のアベノミクスの効果を検証した。
「良くないとは思っていたが、まさかマイナスになるとは」──。事前予想でマイナス成長をまったく想定していなかった民間のエコノミストたちの間に衝撃が走った。11月17日午前9時に発表された7~9月期の実質GDP成長率が年率換算でマイナス1.6%と、2期連続のマイナス成長となったからだ。
2期連続のマイナス成長は一般的な定義では「景気後退」に当たる。この結果を受け、安倍晋三首相は消費税率の再引き上げ時期を2015年10月から1年半先延ばしすること、それを国民に問うために衆議院の解散総選挙に踏み切ることを表明した。
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「日本経済がデフレから脱却できていなかったのに、消費税率を5%から8%に引き上げてしまったのだから、景気が悪化するのも当然。そのため、消費再増税は先送りすべきだと言い続けてきた」と、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの片岡剛士主任研究員は指摘する。
なぜ民間のエコノミストは7~9月期の成長率を見誤ったのか。