本という物体を動かすことで
新しい情報や知識を頭に入れ、吸収することができる

 一方で、小説やマンガのようなフィクションにはアップデートの必要はない。これらの作品は世に出た時点で完成しており、別の作品で上書きする必要がないからだ。
 だから、新しい本に置き換わることがなく、ずっと本棚に残ることになる。 本棚に並んでいる本が何年間も変わらない理由の大半は、これら小説やマンガだとも言える。処分するタイミングがつかめないため、散々溜め込み、その末に本棚にスペースがなくなってまとめて捨ててしまうことになるかもしれない。もったいない話だ。

 そういったことのないように、私はフィクションは電子書籍で読むことにしている。小説は前から順番に読むものである。ノンフィクションのように、ざっと中身を確かめてから途中の章から読み始めたり、重要そうな部分を探し出して読んだりすることはない。なので、紙の本に比べて一覧性が低い電子書籍で読んでもストレスを感じない。

 だから本棚には、鮮度が勝負のノンフィクションの本を中心に並べるべきだ。そして、あなたの脳の中身をアップデートさせる装置として使う。本棚の中の本を最新のものにアップデートすることは、自分の頭の中の情報をアップデートするということだ。
 本棚の中の、本という物体を動かすことで、新しい情報や知識を頭に入れ、吸収することができるのだ。仮にその情報や知識を忘れてしまっても、本棚の前に立てば思い出せる。これは、本棚の持つ素晴らしい機能である。