また、本連載でもたびたび取り上げている住宅扶助・冬季加算の削減に関する検討に加え、11月には生活保護利用者に後発医薬品の使用を事実上義務付ける財務省方針が発表されるなど、生活保護利用者の生活の質を悪化させる方向の動きばかりが慌ただしく続いている。

 では、第二次安倍政権成立後の2年間で、生活保護利用者たちの生活はどのように変化したのだろうか?

「アベノミクス」の2年間は
生活保護利用者の生活をどう変えたのか?

 前述した2014年11月5日の院内集会を主催した「『STOP! 生活保護基準引き下げ』アクション」は、院内集会に先立ち、生活保護利用世帯に対して緊急アンケートを行った。寄せられたアンケートは1254通であった。本記事では、アンケート結果から一部を紹介する。なお、アンケートの集計結果をより詳細に見たい方は、生活保護問題対策全国会議のブログに掲載されている集計結果をご参照いただきたい。

「生活保護費減額で、暮らしはどう変化したか」という質問に対しては、全体の60%が「思っていたより苦しくなった」と回答している。「(苦しくなったが)思っていたほど苦しくはなかった」と回答した19%とあわせ、約80%が「生活は苦しくなった」と回答している。

 では、いくらの減額によって生活が苦しくなっているのだろうか? その世帯の生活保護費が2013年8月以後どれだけ減額されたかに関する質問に対しては、47%が「0~1000円」、41%が「1001円~5000円」と回答している。あわせて88%は、5000円以下の減額を経験している。「たった5000円で、そんなに不満を?」と思われる方は、そもそも「最低生活費」として設定されていた金額からの減額であることを考えていただきたい。100万円が99万5000円になる場合と、10万円が9万5000円になる場合では、そもそも変化率も影響の大きさも全く違う。

 さらに、2014年4月からは消費税増税の影響が加わっている。前述のとおり、厚労省は消費税増税を考慮して生活扶助費を若干増加させている。もしその増加分が十分であれば、消費税増税の前後で、生活保護利用者の生活実感は大きく変わらないはずだ。しかし、消費税増税の前後の生活実感に関する質問の回答は、「とても苦しくなった」が22%、「やや苦しくなった」が48%。あわせて70%が「苦しくなった」と認識している。「たった3%で? 大げさな!」と思われる方は、その「たった3%」の消費増税の影響が、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障したことが過去に一度もなかった生活保護費での生活に対して及ぶことを考えていただきたい。