他方、モバイルワークの延長線上にオフィスを位置づける考え方がある。「ユニファイド・コミュニケーション=UC」と呼ばれるITの仕組みで、コンピュータとオフィス電話の機能を統合し、ビデオ会議や資料のやり取りも含めたコミュニケーションを実現するものだ。日本でもマイクロソフトやシスコシステムズなどが大手企業を中心に導入を進めている。

 UC導入企業では、デスクの固定電話は基本的に不要で、手持ちのスマートフォンをそのまま内線通信用に使えたり、デスクトップのPCにヘッドセット(ヘッドホンやイヤホンと、マイクが1つになった通話用デバイス)をUSB接続して使用する。

 GNネットコムは、UC向けヘッドセット製品のラインナップを拡充している。日本でも台数ベースではすでにコールセンターに迫る導入実績がある。

周囲の話し声も小さくできる
ノイズキャンセリング機能

 オフィス内の音の問題と、企業が取り組み始めたUCの流れをうけ、GNネットコムでは、ヘッドセットを単にオフィス電話として使うのではなく、ナレッジワーカーの集中力維持、生産性向上のために使ってほしいと説明する。

 GNネットコムがオフィスワーカー向けに発売した「Jabra EVOLVE(エボルブ)」シリーズは、これらの目的にかなう機能を備えている。

 まず、このエボルブは両耳タイプの製品を数多くラインナップしている。日本ではコールセンターでも片耳タイプのヘッドセットが主流だが、海外では音楽用のヘッドホンのような両耳タイプが多いそうだ。周りの音を遮断するためだ。また、海外のオフィスではデスクワーカーがヘッドセットを常に耳に装着して仕事をしているケースも多いという。

「日本のオフィスワーカーは、オフィス内で常に周りをうかがって仕事している人が多いようです。そのため、両耳のヘッドセットを着けるのは当初は勇気が要るかもしれません」(八島氏)

 周囲の音を聴こえにくくして集中力を高めるため、エボルブシリーズの両耳タイプは、大きめのイヤーカップで周りの音を聴こえにくくするようにした。さらに上位機種には、電気的に周囲のノイズをカットする「アクティブノイズキャンセリング」の機能を組み込んでいる。

 他社のオーディオ用ヘッドホンなどに組み込まれているノイズキャンセリング機能は、周囲の騒音や航空機内のノイズなど、一定の音量で聴こえる環境音をカットするためのものだが、GNネットコムでは周囲の人が話す音声についても、低音域をカットすることで聴こえにくくする。

 もちろん、電話の音声にはこのキャンセラーが働かないので、周囲の声だけがカットされて電話の声をクリアに聴きとることができるようになる。